2020.04.9 証し関連

【証し】真歩と共に歩んだ約2年間

証し者:蔵下幸子

 

 

我が家の次女を紹介します。

2018年7月25日 18トリソミー(染色体異常)で誕生し、2020年1月31日 真歩1歳6か月で天国へと旅立ちました。

18トリソミーという病気は、ほとんどが流産または死産で、命あって生まれてこれる確率はたったの6%、その内1か月の生存率は50%、1歳の誕生日を迎えられるのはたったの10%と言われていました。

真歩の体には

心臓 ・心室中隔欠損 ・動脈管開存 ・両大血管右起始

脳 ・小脳低形成

腸 ・ヒルシュスプルング病で生後6ヶ月で人工肛門造設…等たくさんの合併症がありました。

そして、2020年1月15日に自宅で急変し救急車で病院へ…すると予想もしていなかった病名を告げられました。

肝芽腫…5ヶ月前のCTには写ってなかった肝臓に8cm×7cm×9cmの巨大な腫瘍(肝芽腫)が見つかりました。

すでに真歩の肝臓の2/3が腫瘍に侵され、本当は痛みや苦しみがあったはずなのに、お家で過ごした4ヶ月(この4ヶ月だけは入院せず、ずっとお家で過ごせました)は一度も泣かず、苦痛表情も見せず、いつもニコニコしてくれていました。

真歩は、生まれる前から何度も医師から医療処置はどこまでしますか?延命治療はしますか?

生まれてきても亡くなることが前提かのような説明ばかり…

2018年5月、私は妊娠7ヶ月で羊水過多、胎児発育遅延、心疾患等で大きな病院で精密検査をして18トリソミーと分かりました。

私は助産師という職業上、18トリソミーと聞いた瞬間「…短命…」と頭をよぎり、涙が止まりませんでした。

 

この日から、切迫早産で仕事を休み自宅安静。一人で家にいると電気も付けず、カーテンも閉め、布団に入り、携帯で18トリソミーを検索して読めば読むほど涙があふれ、何で私が…、何で私なの…と毎日、毎晩、泣き続けました。

私は、18トリソミーという障害をもつ子をどう育てていけばいいんだろう?と不安を少しでも埋めたくて携帯で検索ばかりしていましたが、どんどん暗闇の中へと引きずりこまれていきました。

そんな時、私に神様は家から出るために入院という形をとるようにして下さったと思います。入院すると家と違って、日中はカーテンが開き、明るい太陽の光で目覚め、朝の日課は聖書を読む時間が与えられました。

 

ここから私は、聖書から毎日悩んでいることの答えをもらい、励まされ、救われていきました。

―ローマ10章:11節―

聖書は、こう言っています。「彼に信頼する者は、失望させられることがない。」

 

2018年5月末

主人が出張へ行っている時、夜中に陣痛らしきお腹の張りを感じ、ヤバイ!と思いました。ただ祈り、張り止めの薬を飲んで朝を迎えました。

 

この日の朝、

―伝道者の書3章―

天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みにはときがある。生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。神のなさることは、すべて時にかなって美しい。

この御言葉で、全て神様の御手の中にあること!全て神様に委ねよう!と思ったらすごく楽になりました。

 

また、入院中のある朝のデボーションで、

―マルコ11章:22~24節―

イエスは答えて言われた。「神を信じなさい」

まことに、あなたがたに告げます。誰でもこの山に向かって「動いて、海に入れ」と言って、心の中で疑わず、ただ自分の言ったとおりになると信じるなら、その通りになります。だから、あなたがたに言うのです。祈って求めるものは何でも、すぐに受けたと信じなさい。そうすれば、その通りになります。という箇所を与えられました。

 

この時、私は8項目を声に出して毎日宣言して祈っていました。これを生まれるまで毎日続け、いよいよ出産の日

1. 真歩は生きて誕生してくれました。

2. か細いながらもかわいい産声を聞くことができました。

3. 食道閉鎖があるかもしれないと言われていましたが、問題ありませんでした。

4. 退院まで時間はかかりましたが、無事退院し家族5人で生活できました。

5. 直接、母乳を吸うことも飲み込むこともできないと言われていましたが、直接母乳も飲むことができました。

6. 生後9か月でしたが、可愛い笑顔で笑うことができるようになり、首もすわりました。

7. 心疾患は、日常生活に問題ない!と宣言していましたが、多少のリスクを抱えながらもお家で過ごせました。

8. 家族旅行はできませんでしたが、家族5人で教会に来ることができました。

 

「神を信じなさい」と言われた通り、信じて祈ったことが、全てこの通りになったことを感謝します。

 

夫婦関係について

私と主人は、よく話し合う夫婦だと思っていました。

でも、真歩を妊娠してからもっと時間をかけてたくさん話し合うようになり、お互いをもっと理解し、絆が強まり、本当に話し合う時間を与えて下さった神様に感謝しています。でも、ここまでくる間には、いろいろとありました。

18トリソミーのこと、真歩のこと、あまりにも軽く、重症性を感じていないと思わされる出来事で、私は夫婦の温度差を感じ、イラっとし、どう考えているんだろう?と不信感になったことがあります。

 

こんな時、義母が夕飯を持ってきてくれて、主人の話しになり2人の温度差について話すと涙があふれました。でも、義母が「大輝は、自分たちよりはるか上の域にいてるよ!」

「大輝は、自分が気になること、分からないことは、ちゃんと問うはず。でも問わないということは、全て受け止めているんだと思うよ!」と言ってくれました。

言葉たらずで口に出さなかったら、ずっと誤解し、この温度差を許せないままだったと思いますが、義母という助け人を通して、神様は私たち夫婦をより一層絆も愛も深めて下さったと確信しました。

 

この時に与えられた御言葉は、―マタイ19章:19節―

「父と母を敬え。あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」

―マタイ19章:26節―

「それは人にはできないことです。しかし、神にはどんなことでもできます。」でした。

 

家族のありがたさについて

18トリソミーと分かったその日の夜から、寝る前のお祈りは、主人、長男、長女と手をつないで真歩の為にお祈り!たった4歳の長男が真歩の為に自分の言葉で祈ってくれる姿に感動と成長を感じながら、家族のありがたさと絆の強さをかみしめました。

私は、結婚するまで1人でも生きていけると思っていました。でも結婚と出産を通して神様は、私に支えとなる家族をちゃんと選んで与えて下さったんだなぁーと感謝でいっぱいでした。

 

この時、私が大阪から沖縄に来るのも神の家族を与えて下さるためだったんだ!って思いました。何一つ自分の計画じゃない、本当に全て神様のご計画の中を歩めていることに日々感謝して「これからの長期戦を頑張るぞ!」という気持ちになりました。

この頃に主人と話し合い「真理の御言葉に歩んでほしい」と願いを込めて「真歩」と命名しました。

私たち家族の中で、真歩を中心とした生活が始まり、どうしても長男と長女には寂しい思いをさせてしまっていました。

パパは仕事、ママは安静のため保育園の送り迎えもパパ、ママに来てもらえない。ある時、パパが仕事でいない夜、長男は「パパがいいー」と大粒の涙を流したこともあります。

長女は、「ママはポンポン痛いからお迎えは、ばぁばと帰ってきてね。お家着くまで泣かないでよ!」と約束し、帰ってくるまで本当に頑張り、玄関で私の顔を見てハグすると大号泣。

2人とも本当によく我慢し、わがままも言わず、頑張ってくれました。真歩が生まれてからも、真歩が入院するとパパかママはお家にいない生活。

真歩がお家にいても、どうしても真歩のケアが優先でこの約2年間は、本当によく我慢し、甘えたくても甘えられず、協力をいっぱいしてくれました。

真歩が亡くなってすぐ、「寂しかったね。ごめんね。」と声をかけると、2人とも「うん」とうなずき、ハグすると大号泣していました。

 

真歩に対しては、私の中で18トリソミーという障害を受け入れるのにかなりの時間がかかりました。

生まれてからも一人で家にいると、真歩のことをかわいいと思って育てられるのか?不安になり泣く日々でした。

短命なら早く天国へ行ってほしいとまで思ってしまう自分が嫌になったり、毎日NICUへ面会に行っても、真歩に会いたい、可愛い、と思ってじゃなく、NICUのDr.やスタッフの目もあり義務的に行っている感じも大いにありました。

行っても眠っていたり、泣いてても抱っこもできない。私の中に真歩に対する母性が芽生えてないんだろうか?

こんなんでちゃんと育てていけるのか?と不安の毎日でした。

 

18トリソミーでもなく、心疾患もなく、普通に生まれてきてくれていたら、一緒に生活でき、家でみんなとワイワイにぎやかに過ごせていたはずなのに…と思うとまた涙が出てくる日々。小さい体でこんなにも頑張っている真歩ちゃんなのに、こんなママでごめんね…とまた涙があふれました。

この日は、

―詩篇126扁6節―

「涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取ろう。」という御言葉を与えられました。

 

入院中は、状態が安定してきて一安心と思った翌日には、状態が急に悪くなっていたり…と毎日が綱渡りのようでした。

そんな毎日を真歩ちゃんと過ごすうちに、私の中の母性はどんどん芽生えました。前日までおめめパッチリの生命力あふれる真歩ちゃんの表情が、一変してぐったり表情の日。元気な私たちには、大した菌じゃないのに真歩にとっては命取りの感染症。このまま天国へ行ってしまうんじゃないか…なんて考えるだけで涙があふれました。

 

18トリソミーは、生まれてきても1か月の生存率は50%と言われていて、この1か月で私は、母性に目覚めることができて良かったと思いました。

それからの日々もいろいろありましたが、1年生存率10%もクリアし、お家に帰ってこれて、いつもニコニコの真歩と共に楽しい時間を過ごせたことが本当に幸せでした。

真歩を妊娠してからの約2年間、いっぱい泣き、いっぱい悩み、不安と出口の見えないトンネルの中でさ迷い、たくさんの厳しい現実と向き合ってきました。

 

そんな中で、私達家族はいつも後悔しないように、みんなで毎日を大切に過ごすことができ、今は真歩と過ごした濃いーーー1年半、特に最後の4ヶ月(一度も入院せずお家で過ごせた4ヶ月)は、本当に幸せだったなぁ~と思います。

にーにー、ねーねーにいっぱい遊んでもらい、よく笑い、楽しい時間を過ごせたと思います。

 

真歩は短い生涯でしたが、私達にたくさんの愛と喜びと笑顔と優しさと感謝を与えてくれました。そして、たくさんのことを教えてくれました。まず、当たり前の毎日がどれだけ感謝で奇跡なことなのか!!

私達は呼吸するのって、無意識ですよね。これって、当たり前のことなんですが、真歩にとっては当たり前じゃない!呼吸器や酸素がなかったら呼吸できないんです。

そして、教会へ毎週行けるのは当たり前だったのに、行きたいのに行けない。真歩は、ちょっとしたことで体調を崩し、台風や低気圧でも体調を崩すんです。

今まで当たり前だったことが、全く当たり前じゃないことに気付かせてくれました。子育てに関しても、私は仕事が大好きでどちらかというと仕事人間でした。

上の子2人を出産したあとは、産後7ヶ月程で仕事復帰!

忙しい毎日での子育ては、子供がわがままを言えば、怒って、イライラして…の繰り返し。

私がイライラするから子供もイライラの伝染!

それが、真歩を出産してからは、明日があるかどうか分からない日々を目の当たりにし、子供のわがままや行動にイライラしてても同じ時間が過ぎていくのが、もったいない!と思うようになしました。

それは、子供に目を向けず、自分の時間軸で効率よく済ませたかっただけ!!に気付かせてくれました。

そして、そこからは子供の時間軸で過ごしてみました。

例えば、もう寝る時間。子供はまだ遊びたい!今までならもう終わり!早く寝るよー!って言っていました。子供の気持ちより、自分の時間軸で効率よく1日を終わらせたい!が勝っていたのを…まずは子供が気持ちよく1日を終えられるようにするには、どうしたらいい?と考えるようになりました。

子供が寝る前にまだ遊びたい!というなら、自分の手を止めて、子供と時計の長い針が3(例えば)になるまでね~!と言って、思いっきり遊ぶ!

すると、子供は満足して時間通りで遊び終えるとすーっと眠りにつくようになりました。

子供がわがままを言ったり、甘えてくる時は、子供の要求にまず答えてあげると、すごくスムーズに時間が流れることを気付かせてくれました。

 

そして何でも後回しにしない!!

今までは、子供が○○に行きたい!○○をやりたい!と言うと、また今度ね~。とか、もう少し大きくなってからね~。と言ってきました。

でも、明日が本当に元気である保証がない真歩を通して、行けるなら今行こう!やれるなら今やろう!って後回しじゃなく、今でしょ!!と行動するようになりました。

日々の目標も数ヶ月先ではなく、1ヶ月単位でした。まずは、家族5人で生活したい!家族みんなで教会に行きたい!クリスマスとお正月をお家でみんなで過ごしたい!

お正月を越すのがまずは大きな目標でした。これらを全部叶えられた!

じゃあ、次の目標はプロのカメラマンに家族写真を撮ってもらいたい!でした。これが、2月1日に予約入れていた家族写真。

でも肝芽腫からの出血(腹腔内出血)で急激に状態が悪くなり、急遽病院とスタジオエースさんにお願いして撮ってもらったのが、亡くなる前日の奇跡の家族写真です!

 

あとは、子育ては一人で頑張らなくていい!!真歩を育てるのには、たくさんの方が助けてくれました。

訪問看護さん、外来受診時には介護ヘルパーさん、パパが残業でお迎えに行けないと時は、家族や保育園の先生が助けてくれました。

困っていたら、困ってるって言っていいんだ!!って気付かせてもらえました。

まだまだ沢山ありますが、神様は、真歩を通して私に足りないものをたくさん教えてくれました。

そして、真歩と過ごした時間は、私にとってかけがえのない大切な時間でした。

真歩は、天国へ旅立ちましたが、痛みや苦しみから解放されて、今は天国で笑顔で私達を見守ってくれていると思います。

私達クリスチャンは、天国でまた会えるという希望があります。

―エレミヤ29章:11節―

わたしはあなたがたに立てている計画をよく知っているからだ。

―主の御告げー

それは、災いではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。と聖書に書いてあります。

真歩を授かり、初めは不安と絶望でしたが、神様は良いお方。

私が経験した日々は、全て意味があり、これからの人生が本当に豊かになったことを心から感謝しています。

<< >>
Copyright© 2020 Joy chapel. All rights reserved.
ご相談・見学 聖書を学びたい